AIチャットボットは導入して終わりではない|会話ログを問い合わせ削減に生かす方法

お客様からの「よくある質問」はSEOの宝の山 AIチャットボット

「AIチャットボットをホームページに設置すれば、問い合わせ対応が自動化できる」

このように考えている方は多いかもしれません。

たしかに、AIチャットボットを設置すれば、営業時間外でもお客様からの質問に回答できるようになります。

しかし、AIチャットボットは、設置しただけで完成するものではありません

たとえるなら、AIチャットボットの導入は、新しい受付スタッフを採用した状態です。

入社初日からすべての質問に完璧に答えられるスタッフはいません。

実際のお客様からどのようなことを聞かれるのかを知り、回答できなかった質問を学び、案内方法を少しずつ改善する必要があります。

AIチャットボットも同じです。

その改善に役立つのが、AIチャットボットに蓄積される「会話ログ」です。

今回は、AIチャットボットの会話ログを活用して、問い合わせを減らしながら、ホームページも改善していく方法をご紹介します。

なお、本記事は実際のご相談内容をもとにしていますが、守秘義務に配慮し、業種や一部の状況を変更しています。

AIチャットボットを設置しても、電話がゼロになるわけではない

まず知っておきたいのは、AIチャットボットを導入しても、問い合わせがすべてなくなるわけではないということです。

たとえば、クリニックでは次のような電話があります。

  • 予約を変更したい
  • 今日受診できるか知りたい
  • 現在の待ち時間を知りたい
  • 駐車場の場所を確認したい
  • どの診療科を受診すればよいか知りたい
  • 持ち物や費用について知りたい
  • 薬がなくなりそうなので相談したい

この中には、AIチャットボットで回答できるものもあれば、回答できないものもあります

駐車場や持ち物、診療時間などは、あらかじめ情報を登録しておけば回答できます。

一方、リアルタイムの待ち時間や、患者さんの症状に応じた医療判断は、AIチャットボットだけでは対応できません。

大切なのは、電話を完全になくそうとしないことです。

電話でなければ対応できない問い合わせは残しながら、ホームページやAIチャットボットで解決できる質問を、少しずつ電話から切り離していきます。

交通量の多い交差点で、すべての車を通行禁止にするのではなく、目的地に応じて道路を振り分けるようなイメージです。

会話ログを見ると、お客様が迷っている場所が分かる

会話ログを見ると、お客様が迷っている場所が分かる

AIチャットボットを導入すると、管理画面にお客様との会話が記録されます。

この会話ログを見ることで、次のようなことが分かります。

  • どのような質問が多いのか
  • AIがうまく回答できなかった質問は何か
  • お客様がどのような言葉で質問しているのか
  • ホームページのどの情報が見つけにくいのか
  • そもそもホームページに情報が掲載されていないのか
  • 回答した後、別のページへの案内が必要なのか

ホームページを作る側は、必要な情報をきちんと掲載しているつもりでも、お客様が見つけられているとは限りません。

あるクリニックでは、治療内容についてホームページに詳しく掲載していました。

ところが、同じ内容の質問が電話やAIチャットボットに何度も寄せられていました。

情報がないのではなく、情報にたどり着けていなかったのです。

これは、大きな商業施設の中に目的のお店はあるものの、案内板が見つからない状態に似ています

お店が存在していても、場所が分からなければ、お客様は案内所で質問します。

会話ログは、お客様がホームページのどこで立ち止まっているのかを教えてくれる記録なのです。

会話ログから問い合わせを減らす5つの手順

会話ログから問い合わせを減らす5つの手順

ここからは、実際に会話ログをどのように改善へつなげるのかをご紹介します。

回答できなかった質問を確認する

最初に確認したいのは、AIチャットボットがうまく回答できなかった質問です。

たとえば、次のような回答になっていないでしょうか。

「申し訳ありませんが、分かりません」
「詳しくはお問い合わせください」
「該当する情報が見つかりませんでした」

もちろん、無理に回答して間違った情報を伝えるよりは、回答しない方が安全です。

ただし、同じ質問が何度も寄せられている場合は、FAQへの追加を検討します。

似た質問をグループにまとめる

お客様は、同じことをさまざまな言い方で質問します。

たとえば、予約変更についても次のような表現があります。

  • 予約日を変えたい
  • 予約時間を変更できますか
  • 明日の予約をキャンセルしたい
  • 都合が悪くなりました
  • 予約を取り直したいです

これらは、すべて「予約変更・キャンセル」という一つのグループにまとめられます。

質問を一つずつ見るだけでは全体像が分かりにくいため、似た内容ごとに分類することが大切です。

会話ログをCSV形式でダウンロードし、AIに分類させる方法もあります。

FAQに回答を追加する

問い合わせが多い質問は、AIチャットボットのFAQに追加します。

ただし、回答文は長くしすぎないことが重要です。

すべてをチャット内で説明しようとすると、かえって読みにくくなります。

基本的な回答を短く伝えたうえで、詳しい説明があるページへ案内すると分かりやすくなります。

たとえば、次のような回答です。

「予約の変更は、予約ページからお手続きいただけます。以下のページをご確認ください」

AIチャットボットは、百科事典のようにすべてを説明するものではありません。

患者様・お客様を目的のページまで案内する、受付スタッフのような役割を持たせることが重要です。

ホームページにも情報を追加する

よく聞かれる質問は、AIチャットボットだけではなく、ホームページにも追加します。

質問されるということは、次のいずれかに当てはまる可能性があります。

  • ホームページに情報がない
  • 情報が古い
  • 情報が分かりにくい
  • 情報の掲載場所が見つけにくい
  • ページによって内容が食い違っている

実際にFAQを整理していると、駐車場の台数、営業時間、料金、予約方法など、ホームページ内の情報のズレが見つかることがあります。

AIチャットボットの回答だけを直しても、ホームページの情報が古いままでは、お客様をさらに迷わせてしまいます。

AIチャットボットとホームページの回答は、同じ地図を使って案内する必要があります。

改善後の変化を確認する

FAQやホームページを改善した後は、問い合わせ内容が変化したかを確認します。

  • 同じ質問が減ったか
  • AIが回答できる割合が増えたか
  • 電話問い合わせが減ったか
  • 予約ページへの移動が増えたか
  • 新しい質問が発生していないか

改善前後の数字を記録しておくと、AIチャットボットの効果も分かりやすくなります。

「なんとなく電話が減った気がする」だけでは、成果を判断できません。

少なくとも、導入前と導入後で、電話件数や質問内容を比較できるようにしておくことをおすすめします。

会話ログは商品・サービス改善にも使える

会話ログから分かるのは、問い合わせ削減の方法だけではありません。

お客様が何を不安に感じているのか、何を判断材料にしているのかも見えてきます。

たとえば、料金についての質問が多い場合、料金表が分かりにくい可能性があります。

利用方法についての質問が多い場合、申し込み後の流れが想像できていない可能性があります。

「自分にも使えますか」という質問が多い場合、対象者の説明が足りていないかもしれません。

こうした質問は、お客様の頭の中にある「申し込まない理由」でもあります。

会話ログを分析すれば、次のような改善にもつなげられます。

  • ページの文章を見直す
  • 料金プランを分かりやすくする
  • 申し込みまでの流れを追加する
  • 導入事例を掲載する
  • 対象となる人を明確にする
  • 新しいサービスを企画する

つまり、AIチャットボットは問い合わせに回答するだけでなく、お客様の声を集めるマーケティングツールにもなります。

AIチャットボットの管理を経営者だけで抱えない

AIチャットボットの運用でよくある問題が、経営者や院長だけが管理画面を確認していることです。

しかし、実際にお客様や患者さんから質問を受けているのは、受付スタッフや営業担当者であることが多いはずです。

現場のスタッフは、次のような情報を持っています。

  • 最近増えている質問
  • お客様が勘違いしやすいこと
  • 説明に時間がかかること
  • ホームページに書いてほしいこと
  • 電話で繰り返し説明していること

AIチャットボットの改善は、経営者・院長だけで行うよりも、現場のスタッフと一緒に進めた方が効果的です。

月に一度でもよいので、会話ログを確認し、追加すべき質問がないかを話し合う時間を設けてみてください。

AIチャットボットは育てることで効果が高まる

AIチャットボットは、導入した瞬間に完成するシステムではありません。

お客様から質問を受け、回答できなかった内容を追加し、ホームページを改善する。

この繰り返しによって、少しずつ賢くなっていきます。

これは、庭を育てることにも似ています。

苗を植えただけでは、きれいな庭にはなりません。

水を与え、伸びすぎた枝を切り、季節に応じて手入れをする必要があります。

AIチャットボットも、定期的に会話ログを確認して手入れすることで、問い合わせ削減につながる仕組みへ成長します。

まずは、直近1か月分の問い合わせを確認してみてください。

何度も聞かれている質問があれば、そこが最初に改善すべき場所です。

クリニックの問い合わせ対応を減らしたい方へ

当社では、クリニックのホームページに設置できるAIチャットボット「クリニックAI窓口」を提供しています。

ホームページの情報をもとに基本的なFAQを作成し、診療時間、予約方法、持ち物、アクセス、治療内容など、患者さんから寄せられる質問への一次回答を行います。

また、導入後は会話ログを確認しながら、FAQの追加やホームページの改善につなげることもできます。

AIチャットボットは、受付スタッフの代わりになるものではありません。

受付スタッフでなくても回答できる質問をAIに任せ、スタッフが目の前の患者さんへの対応に集中できる状態を作るための仕組みです。

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