ホームページにAIチャットボットを設置する企業やクリニックが増えています。
AIチャットボットというと、
「問い合わせに自動で答えてくれるもの」
「電話対応を減らすためのもの」
というイメージが強いかもしれません。
もちろん、それも大切な役割です。
しかし、AIチャットボットには、もう一つ重要な役割があります。
それは、会話ログを通じて「ホームページで何が伝わっていないのか」を教えてくれることです。
会話ログは、お客様や患者さんが残してくれた「声なき声」といえます。
ホームページを見ても分からないから質問している
先日、AIチャットボットの運用について打ち合わせをしていたときのことです。
実際に蓄積された会話ログを確認すると、予約に関する質問が多く見つかりました。
でも、予約方法はホームページにも書いてあります。
それでも質問されるということは、利用者がその情報を見つけられなかったか、読んでも判断できなかった可能性があります。
作り手は、
「ちゃんと書いている」
「予約ボタンも設置している」
と思っているかもしれません。
しかし、利用者に見つけてもらえなければ、情報がないのと同じです。
これは、広い店内に案内板を設置していても、お客様から見えない場所に置いてあるようなものです。
案内板を作ったことではなく、お客様が迷わず目的地へ着けることが大切です。
会話ログはホームページに残らない疑問を教えてくれる
通常のお問い合わせフォームに入力する場合、利用者はある程度まとまった文章を考えます。
名前やメールアドレスを入力する必要もあります。
そのため、少し気になった程度では、問い合わせまで進まない人もいます。
一方、AIチャットボットには、
- 「予約できる?」
- 「駐車場は?」
- 「今日開いてる?」
- 「この症状も診てもらえる?」
といった短い質問が気軽に入力されます。
つまり、会話ログには、電話やお問い合わせフォームには表れにくい「小さな疑問」が残ります。
この小さな疑問こそ、ホームページを改善するヒントです。
会話ログから確認したい5つのポイント

会話ログを分析するときは、次の5つを確認します。
どのような質問が多いか
まずは、質問を種類ごとに分けます。
例えば、クリニックであれば、次のように分類できます。
- 予約について
- 診療時間について
- 対応している症状について
- 費用について
- 駐車場やアクセスについて
- 初診時の持ち物について
- オンライン診療について
質問が多い内容は、それだけ利用者の関心が高いか、ホームページで分かりにくくなっている内容です。
どの曜日や時間帯に質問が多いか
診療時間外に質問が集中しているのであれば、AIチャットボットが「閉院後の受付窓口」として役立っている可能性があります。
昼休みや診療開始前に質問が多い場合は、その時間帯に利用者が予約や来院を検討しているのかもしれません。
質問内容だけでなく、質問された時間も重要な情報です。
ホームページに書いてあるのに質問されていることは何か
ホームページに掲載しているにもかかわらず、繰り返し質問される内容があれば、掲載場所や表現を見直します。
例えば、予約に関する質問が多い場合は、
- 予約ボタンを目立たせる
- 予約方法を図で説明する
- 初めての方専用の案内を作る
- 電話予約とネット予約の違いを書く
といった改善が考えられます。
情報を増やすだけでなく、見つけやすくすることが大切です。
AIがうまく答えられなかった質問は何か
AIがうまく答えられなかった質問も、貴重な改善材料です。
回答に必要な情報がホームページに存在しない場合、AIも正確に答えることができません。
不足している情報をホームページやFAQに追加すれば、AIの回答精度も高くなります。
AIだけを調整するのではなく、情報源となるホームページも一緒に改善していく必要があります。
利用者はどのような言葉を使っているか
専門家と利用者では、使う言葉が違います。
医療機関が使う病名と、患者さんが検索する症状の言葉が違うこともあります。
企業側が「サービス内容」と呼んでいるものを、お客様は別の言葉で探しているかもしれません。
会話ログを見ると、利用者が実際に使っている言葉が分かります。
その言葉をホームページの見出しやFAQ、ブログ記事に反映すれば、利用者にとって分かりやすくなるだけでなく、SEO対策にもつながります。
すべての質問をホームページに追加すればよいわけではない
会話ログに出てきた質問を、すべてホームページに追加すればよいわけではありません。
情報を詰め込みすぎると、かえって分かりにくくなることがあります。
改善するときは、次の3つの基準で優先順位を決めます。
- 質問される回数が多いか
- 問い合わせや予約に影響するか
- 利用者の不安が大きい内容か
例えば、「予約方法が分からない」という質問は、予約をあきらめる原因になりかねません。
一方、ほとんど聞かれない細かな質問は、AIチャットボットやFAQだけで回答する方法もあります。
ホームページの目立つ場所に載せる情報と、質問されたときに答える情報を分けることが大切です。
会話ログを毎月のホームページ改善に活用する
AIチャットボットは、設置して終わりではありません。
次のような流れで、継続的に改善していきます。
- 会話ログを集める
- 質問を種類ごとに分類する
- 質問が多い原因を考える
- ホームページやFAQを修正する
- 質問の変化を確認する
これは、患者さんやお客様に毎月アンケートを取っているようなものです。
しかも、「何かご意見はありますか?」と尋ねて得られる回答ではありません。
実際に困った瞬間に入力された質問なので、より具体的で、改善につながりやすい情報です。
AIチャットボットは「答える道具」から「気づく道具」へ

AIチャットボットを導入する目的を、問い合わせ対応の自動化だけにしてしまうのは、少しもったいないと思います。
会話ログを分析すれば、
- 「利用者はどこで迷っているのか」
- 「何を不安に思っているのか」
- 「ホームページに何が足りないのか」
が見えてきます。
ホームページを作る側が想像した疑問ではなく、利用者が実際に入力した疑問です。
AIチャットボットの会話ログは、お客様や患者さんがホームページの中に残してくれた「足跡」のようなものです。
その足跡をたどることで、より分かりやすく、問い合わせや予約につながりやすいホームページへ改善できます。
クリニックの問い合わせ対応とホームページ改善をAIで支援します
当社では、クリニックのホームページに設置できる「クリニックAI窓口」を提供しています。
診療時間、予約方法、アクセス、対応している診療内容など、ホームページの情報をもとにAIが一次回答します。
医療的な判断をAIに任せるのではなく、患者さんの疑問に対して必要なページを案内し、電話をかける前に解決できる環境を作るためのサービスです。
さらに、蓄積された会話ログを確認することで、よく聞かれる質問やホームページで伝わっていない情報も把握できます。
「同じような電話問い合わせが多い」
「ホームページのどこを改善すればよいか分からない」
とお悩みの院長先生は、お気軽にご相談ください。

